IT業界はめまぐるしい変化を続けている業界のため、キャリアパスを描くのが難しい面もある。ゆえに5年後、10年後のビジョンをあまり明確に思い描くのではなく、基本的な道筋を決めた上で、業界の変化に臨機応変に対応しながらキャリアを積んでいくことが重要になってくるだろう。
そんなITエンジニアのキャリアパスの「基本的な道筋」となるのが、管理職を目指すか専門職を目指すかの選択だ。
このうち、専門職のキャリアパスは比較的描きやすいと言える。プログラミング、デザイナーなど自分が追求していきたい特定の分野を定めたうえで、それに必要な知識・スキルを身に着けつつ精進し、次代のニーズをうまく捉えながら活躍していくのが前提となるからだ。
それに対して難しいのが管理職のキャリアパスだ。何しろ、業界そのものがまだ新しいうえに変化が目まぐるしいため、参考になる事例が少なくプランを描きづらいのだ。
そんな管理職を目指すITエンジニアのキャリアパスでは、マネジメントスキルを学べる環境に身を置くことができるかがポイントとなってくるだろう。プロジェクトにおけるスケジュール管理やコスト管理、品質管理、あるいは顧客やスタッフとのコミュニケーションの円滑を担う立場などが該当する。
こうした機会を得るためには、やはりひとつの職場で働いて経験を積んでいくのが一番の近道だろう。年齢と経験を重ねると自然と部下を持ち、プロジェクトを任せられるなどの地位につく機会が出てくるからだ。
あとは、IT業界の中でも比較的新しい分野にチャレンジするのも、管理職を目指す上でよい機会になるだろう。なにしろ前例が少ないのだから、うまく行けばすぐに重要な役割を任せられる立場になることができるからだ。